(有)茨城ビデオパック代表取締役
「霞ケ浦の帆引き網漁の技術」総合調査専門委員(2020.4~2024.3)
文化資源学会会員(民俗・文化財映像)
稲敷市文化財保護審議会委員
ごあいさつ―帆引き船への思い
土浦出身の私は幼少の頃に、どこの高台かは覚えていませんが遠くから帆引き船を見た記憶があります。しかしさほど印象に残っていません。又、我が家の食卓にもよくワカサギの煮干しや佃煮が出ましたが、子供の頃は大の苦手でした。
そのような私が帆引き船と深く係わるようになったのは、霞ヶ浦町郷土資料館(現かすみがうら市歴史博物館)の展示映像『霞ヶ浦の帆引船-その歴史とメカニズム-』(1999.3)を製作したことがきっかけでした。まさに運命の出会いと言っても良いかもしれません。調べれば、調べるほど今までとは全く異なった帆引き船の新しい一面が浮かび上がってきたのです。一面というのは神髄(しんずい)と言っても良いかもしれません。風力を介して生み出される世界に例をみないメカニズム…。霞ヶ浦の生態系を壊すことなく霞ヶ浦の自然環境と上手に折り合いを付けてきた持続可能な漁法…。
帆引き船は霞ヶ浦の宝です。そして必ず未来に継承してかなければならない日本の貴重な文化資源です。帆引き船と霞ヶ浦は表裏一体です。帆引き船を守るという事は、霞ヶ浦を守る事につながります。
今回『帆引き船デジタル博物館』を開設し、長年にわたり取材して得た帆引き船の様々な魅力や価値を発信し、帆引き船の存続を訴えていきます。
開設資金の一部はクラウドファンディングを利用しました。ご支援頂いた皆様に心から感謝申し上げます。
岩崎真也